ステップアップ97 7月定例会議事録            20011018

日時   2001.7.17(火)19:0021:00
場所   東京国際フォーラム内 生涯学習センター
参加者  13名 (講師を含む) (順不同・敬称略) 
青木、福嶋、宇田川、磯貝、日原、若木、塩崎、森川、
花香、柏木、千葉、江田、豊田
                    
A.各自自己紹介&近況報告 (初めての方がいるため)

B.講演 「弁護士の選び方、Q&A」  
      講師:柏木 栄一さん (弁護士)
1.柏木さんの自己紹介
   中央大学法学部卒業後、裁判所書記官、事務官として6年間勤務。
   平成7年司法試験に合格。
   平成8年4月から2年間(当時。現在は1年6か月)司法修習生。
   平成10年4月弁護士登録。

   司法修習生約700人(当時。現在は、約1000人)が修習終了後、
   約500人が弁護士に、100弱が検事に、100人前後が裁判官
   (いずれも当時)。

   ほとんどの弁護士は、最初は勤務弁護士(いわゆるイソ弁)に
   地方では、最初から独立開業する人の割合が高い(地域によっては、ほとんど。)
   私の同期のうち、同級生(約60人)のうちで、現在まで開業しているのは、10人前後。

2.普段どういうことをやっているのか?
   一般的には、
     個人からの依頼では、貸金請求や離婚の相談や交通事故のトラブル等
     生活に密着する事案が多い。
     書面作成のために依頼者との打合せや裁判の尋問の準備等をする。
     依頼者が帰った後、空き時間は書面作成の毎日である。

     会社からの依頼については、千差万別であり、    
     各事務所によって、依頼の傾向は異なる。
     ボスの弁護士(以下、「ボス弁護士」という。)が
     顧問弁護士をしている会社の業務に関連する仕事が多い傾向にある。
         
    私が独立前に勤務していた弁護士事務所(2カ所)では、
    ボス弁が不動産のデベロッパーの会社や生命保険会社の
    顧問弁護士をしていたので、その関連の事件が多かった。

    ボス弁また、東京の弁護士会(3つある)の交通事故に委員会の委員長を
    していた関係で交通事故の依頼(主に被害者側から)が多々あった。
    ちなみに、損害保険会社の顧問をしている弁護士の事務所では、
    加害者側の案件が多いということになる。

3.会員からの質問に関して
 Q1 弁護士とどうやって接点を持つか? 
  一般に聞くところでも、自分が今まで在籍していた事務所でも知り合いの口コミでというのが多い。

  現在、 「東京弁護士会」ではホームページ上で、事件の種類毎に登録している弁護士の照会をしている。
  また、「日弁連」のホームページ上で、弁護士の探し方について、の説明もある。

  また、弁護士会等で法律相談の窓口を設けている(弁護士会のものは、事前に連絡して、
  相談日を予約するもの)。

 Q2 弁護士費用は? 
  日弁連で定めた弁護士報酬規定があり、
  各都道府県の単位弁護士会の報酬規定で、日弁連と同額の報酬規定
  を定めて運用している(事件の種類によって違うので、詳細は省略します。)
  
  法律相談料については、30分毎に5,000円となっている。
  (なお、訴訟や折衝等の事件の受任を受けた場合は、相談料を別途もらってはいない。)

   相談料は、例えば、1時間なら1万円、3時間かかれば3万円ということになるが、
   自分の経験から、2時間以上相談をしても、その時点で結論がでない
   案件では、それ以上、相談を続けてもその場では問題が解決しないと言える。
   (また、スケジュール上、それ以上の時間を確保するのも厳しい。)
   日を改めてまた、打合せをした方がよい。

   刑事事件については、
     各弁護士会で当番弁護という制度を実施している。
     逮捕、勾留されている起訴前の被疑者から弁護士会宛に
     要請があれば、弁護士会から同日、当番を務めている弁護士を
     接見(面会のこと)に派遣する。
     その当日の弁護士費用は弁護士会が負担する。

     面会に来た弁護士に引き続き依頼する場合は、
     (起訴前弁護の)着手金として金15万円、
     起訴猶予で裁判にならずに済んだ場合、あるいは罰金での処分で済んだ場合には、
     成功報酬として金30万円
     起訴された場合に引き続き裁判での弁護を依頼する場合の着手金は(上記と別途)金30万円
     裁判で無罪や刑む執行猶予の判決が得られた場合の成功報酬として金30万円
     を支払うという当番弁護制度の報酬規定となっている。
     当番弁護士の場合は、法律扶助協会から弁護士費用を支払ってもらえる
     場合もある(扶助協会への償還は、不要な場合が原則であるが、支払わなくてもよいと
     保証されているわけではない。)

     なお、通常の刑事事件の弁護士報酬規定=当番弁護制度によらない場合は、 事件の難易によって金額は異なるが、
     事案簡明な事件については、
      起訴前(捜査段階)での着手金は金30万円〜50万円、
      報酬金は、その同額と定められている。
      また、起訴後(裁判での)着手金も上記と別途30万円〜50万円、
      成功報酬もそれと同額  と定められている。

 Q3 弁護士の探し方、選び方として
      例えば、医療過誤のような専門知識が必要な事件については、
      弁護士全員が事件を扱った経験があるわけではない。
      実績がある弁護士を探すとすれば、
      まず、色々評判を聞いてみるのが無難である。

      弁護士である自分としても、
      知り合いの弁護士に評判のいい弁護士を聞いてみたり、
      判例検索をして、「判例時報」等の判例評釈を乗せている専門誌
      等で過去に事件を担当した弁護士を探してみると思う。
       
4.その他
 (1)、現状では、民事事件の訴訟では、相当の期間がかかる(半年〜1年、長ければ、数年)。
    長く付き合うことになる弁護士のパーソナリティも考慮した方がよいと思う。
    自分と合わないと感じれば、他の弁護士を探した方がよいかもしれない。

 (2)、民事訴訟の殆どは判決で決着が出るよりも、裁判上の和解で決着している方が多い。
     
    金銭を請求する訴訟で判決で勝っても、
    相手が全く資産を持っていない場合は、強制執行の対象となる財産がないから、
    お金が回収できない可能性が高い。
    和解をして金銭を払ってもらう蓋然性が高ければ、
    金額的に妥協しても和解した方が、金銭が回収できる可能性が高い。

    いずれにしても、訴訟を起こす前に
    相手方に資産があるかどうかを検討することは不可欠である。
    訴訟提起前に仮差押え等の保全処分をした方がよい場合がある。

    相手方の資産に担保権がついていないと、他の債権者が優先的に
    支払いを受けて、回収出来ないことになる。
   
    これまでの自分が担当したことのある案件で、
    ゴルフ場の会員権の預託金返還訴訟で勝った後、強制執行をする際の立会いをしたことがあるが、
    不動産等は全て他の債権者の担保がついているため、強制執行しても回収は事実上、不可能。
    毎日の売上金を差し押さえるため、動産の強制執行をすることになった。
     (執行官に同行して、ゴネる債務者を諦めさせる。)
    執行に行った日のお客の入りの具合で売上金が増減するから、天候を含めて全くの運、不運の勝負である。
    自分が行ったのは、平日に1回と日曜日に1回。
     (なお、土日は、原則として執行はしないのが裁判所の扱い。裁判所の許可が必要。)
     行った日にゴルフコンペが開かれていたりして、売上金は他の日に比べて多かったので、運がよかったと言える。
     
  (3)、刑事事件の被疑者(起訴されるまで)、被告人(起訴されてから)との面会について
     弁護士以外の人(一般面会)は、平日の昼の時間帯に30分以内しかできない。
     (警察の留置場等へ行っても、面会室が一つしかない警察署が殆どなので、
      先に面会にきている人がいれば、待たされることになる。)

     弁護士の場合は、夜の時間帯も接見できる。
     (ただし、警察署の留置場にいる場合。東京拘置所では、平日の昼の時間帯だけ)
     弁護士の場合、昼に面会に行く場合もあるが、
     @、一般面会で来ている人が多いと待時間が長くて時間が無駄になることや、
     A、起訴前の場合は、昼だと警察や検察の取り調べ中で面会できないこと
     があるので、夜に面会にいくことが多い(夜しか時間がとれないということもある。)
     面会が終わるのが、午後11時以降になることもざらである

     ちなみに、逮捕されてから裁判になって判決がでるまでの2か月半で24回接見に
     行った事件もある。

   (4)、その他、詳しくは、当日配付資料と関係ホームページを参照

C.連絡事項・7月28〜29日 第3回パラグライダーツアー(水上)
       ・8月 4日(土) ディキャンプ (東京奥多摩方面を予定)
       ・8月25〜26日 第4回パラグライダーツアー(水上)
       ・9月18日(火) 定例会 (東京国際フォーラム 
                  「日曜画家の話」 講師:江田さん)