2002年 4月定例会

日時:2002年4月19日(金)19:00−21:00
場所:労働スクエア東京603号室
参加者 16名

「MD(ミニディスク)の仕組みについて」(仁平さん)
[1]Net-MDの説明
 ・著作権保護技術に基ずいてデータのダウンロード、コピーが行われる。
 ・管理ソフト(OpenMG Jukebox)にて、CDあるいは"Net-MD"に対応した
  電子音楽配信サービからPCのHDに容易に暗号化して音楽データの
  ダウンロードが可能。
 ・OpenMG Jukeboxを使う事で、PC、Net-MD間で音楽データを容易に
  チェックイン、チェックアウト出来る。

[2]MDの記録、再生原理関係

・MD(mini disk)には、再生専用の「ミュージックMD」と、再録可能な「レ
 コーダブルMD」がある。再生専用MDは、CDと同じ光ディスクであり、
 ディスクの「ピット」と呼ばれる窪みにレーザー光を照射してその反射光
 の「光量」変化の大、小によってデジタル1,0情報を読み取る。

 「レコーダブルMD」は、MO(Magneto Optical)ディスクの技術の応用で
 あり、MO技術をダウンサイジングして、新たな技術も盛り込み、音楽に特
 化する事により、コンシューマ市場に適応させたものである。書き込みの
 原理は、記録層をレーザー光により熱し、キュリー温度まで上げて、その
 記録層に磁界を与えることにより、情報を書き込む。

 MOとMDの記録方式は違い:
・MO:「光変調方式」といい、一定磁界の外部磁界を掛け、ディスクに照射
 するレーザー光を制御(レーザーON/OFFとON時間)させてディスクに磁気情
 報を記録する。
 消去と記録は同時でなく、消去は一定方向に磁化の方向を揃えてしまう事
 で、記録時にはそこにレーザー光を当て、磁化の方向をスポットごとに反転
 して記録する方式。
 データとしては、光変調方式は"1"だけを記録する方式となる。
 (消去動作時にデータを全て"0"にしてしまうという事)

・MD:「磁界変調オーバーライト方式」といい、ディスクに照射するレーザ
 ー光は一定で、光学ピックアップの上部に設けた磁気ヘッドにより磁界を
 変調させて記録する。
 レーザー光が当たったポイントはキュリー温度になるが、遠ざかると温度が下がり、
 磁気変化がディスクに保持される。
 またこの方式は記録されている旧信号の上に新しい信号を重ね書き出来る。
 (これがオーバーライト方式)
 またデータとしては、磁界変調方式は、"1","0"の両方を記録する事になる。

・MD開発の7つのコンセプト
   1.ランダムアクセスが可能であること(素早い選曲が出来る)。
   2.録音が可能であること。
   3.高品位デジタルサウンドでの録音、再生が可能であること。
  (CDに迫る高音質)
   4.軽量、コンパクトであること(カートリッジ W72mm/H68mm/t5mm)。
   5.取扱が簡単であること。
   6.耐震性が高いこと。(録音、再生時に音飛びに強い)
   7.耐久性、信頼性が高いこと。

・革新的な新技術として、下記が特筆される。
 1.ATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Coding:高能率符号化方式)
     ATRACは聴覚心理学に基づき人の耳の特性により音楽データを取捨選択して、
  聴覚上の音質が基本的に損なわれることはない事を利用して、音楽
  データを約1/5に圧縮する技術。
  単なる圧縮では無く、聴覚心理学を組み合わせた、データの合理化なの
  で高能率符号化となる。

 ○聴覚心理学の特性(ラウンドネス特性、マスキング効果)とは:
 1)ラウンドネス特性:
  ・人間の耳は個人差も大きいが、感度の高い周波数と感度の低い周波数がある。
   同じ大きさの音(音圧レベル)でも、周波数によって感じる音の大きさが異なる特性。
   (つまり中域付近の音ならばある程度小さくても聞き取れるが、低域
   や高域の領域ではある程度大きな音でないと聞き取れなくなる特性。)

 2)マスキング効果:
  ・近い周波数で大きな音と小さな音が発生した時、小さな音は大きな音
   に覆われて聴こえずらくなること。

 音飛びガードメモリー
   光学系で読み出したデータをデコード(復調)する途中にメモリー(ショック
 ・レジスタント・メモリー)にデータを蓄え、再生すべき音楽情報を事前に
 読み込んで、そこから再生することにより、振動による音飛び(ピックアップ
 のズレによる読み込みエラー)を回避する。

 音楽データをATRACで約1/5に圧縮していることにより、ATRACデコーダでは、
 ディスクから読み出す速度(1.4Mbps)の約1/5のスピード(約300Kbps)があれば、
 音楽信号に戻して再生出来る。
 この処理スピードの差(転送レートの差)を利用してメモリーにデータを蓄える。
 よって振動でピックアップが外れても、溜め込んだ信号を再生している間に、
 ピックアップが戻れば、音は途切れる事はない。
 これは録音と時も同じで、間欠読み出し、間欠記録をしている事になる。

[3]最近の高密度光磁気の記録技術の1つ
  DWDD技術(磁壁移動再生技術)に付いて、簡単に説明を行った。
  内容は以下のURLに詳しく書かれています。
  http://www.canon.co.jp/technology/future_tech/dwdd/index.html

[4]MDとCDの音の聞き比べ及び、音飛びガードメモリー機能の
  実演を、実際にMDを再生して行った。

 ・最近のMDの音質はCDとは、聞き比べても殆ど差が無いくらい高音質に
  なっている。
 ・音飛びガードメモリー機能、つまり耐震機能が十分ある事を実演した。
  

自己紹介・近況報告
 初めて参加された方もいるので、自己紹介を兼ねて各自近況報告を行った。

以上